子どものスポーツ頭部外傷を防ぐ|羽村市の接骨院

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子どものスポーツ頭部外傷を防ぐ

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こんにちは、まろん鍼灸接骨院です。

今回は、子どものスポーツ頭部外傷についてです。

スポーツ中に起こる頭部外傷で最も多いのが「脳震盪」だが、命に関わる場合もあることはあまり知られていません。

スポーツ中の子どもの安全管理のためには、指導者をはじめとして多くの人の意識改革が必要です!

 

 

 

 

2014年5月、子どものスポーツ頭部外傷に関わる裁判で判決が確定しました。この裁判では、2008年に長野県松本市の柔道教室で、当時の指導者が小学生に投げ技をかけ、脳に重い障害が残る怪我をさせたとして有罪判決が下されました。

 

 

◇頭に加わった衝撃で脳に損傷が及ぶ

「スポーツ頭部外傷」とは、頭に傷を負って出血するような怪我のことではなく、スポーツ中に頭に衝撃が加わり、脳に損傷が及ぶ怪我のことです。

 

2009年度の「スポーツ頭部外傷のアンケート調査」の回答では、2009年度の1年間に、スポーツ頭部外傷が原因で入院した患者さんは422人いました。ただし、この422という数字は、アンケート調査に回答した医療機関の入院者数を合計したものであり、実際の数ははるかに多いと考えられています。

 

 

原因で最も多かったのが「脳震盪」で、それ以外にも「外傷性くも膜下出血」「脳挫傷」「急性硬膜下血腫」などが入院の原因として報告されています。

 

また、入院した422人中、特に多かったのが中学生と高校生です。その理由として、競技人口が多いことや、競技中に激しく接触したときに、十分耐えられるだけの基礎体力がまだないことなどが指摘されています。

 

スポーツ頭部外傷は、柔道、ラグビー、アメリカンフットボール、サッカーなど、選手同士の激しい接触を伴う競技で多く起こっています。そして、重大事故は、柔道、野球、スノーボードなどに多く、少数ですが死亡例も報告されています。

 

 

◇防止のための緊急提言が発表された

この中でも、柔道は、2012年4月から中学生の保健体育で武道が必修となったのに伴い、授業に取り入れられています。子どもたちを頭部外傷の危険から守ることが重要な課題だが、まだ実態の把握を進めている段階であり、事故を防ぐための対策は十分とはいえません。

 

そうした事態を重く見た「日本脳神経外傷学会」と「日本脳神経外科学会」は、スポーツ頭部外傷を防ぐ対策の必要性を痛感し、とりわけスポーツ指導者と選手を診察する医師の正しい理解が必要として提言を行いました。

それが、2013年12月に発表された「スポーツによる脳損傷を予防するための提言」です。

 

 

 

◇脳震盪の理解を改める必要がある

提言の最大のポイントは、スポーツ外傷の中で最も発生頻度の高い脳震盪を正しく理解させることにあります。

脳震盪は、スポーツ中などに頭を打った衝撃によって起こります。脳震盪を発症すると、一時的に記憶を失ったり、頭痛が起こったりします。まれに、一時的に意識を失うこともあります。

 

一般に、脳震盪は、すぐ回復する軽いものと理解されていますが、スポーツで起こるものに関して言えば大きな間違いです。スポーツ中に起こる脳震盪の場合、繰り返し起こしてしまうことがあり、それが重大な障害につながる可能性があるからです。時には、命に関わることもあります。

 

脳震盪は、1回起こしただけでは命に関わることはまずありませんが、2回目以降は大出血の危険性があります。頭蓋骨の内側には、大きな静脈がくっついており、そこから「架橋静脈」という脳の表面の血管が枝分かれしています。頭に衝撃を受けると頭蓋骨の中で脳がずれて、架橋静脈が引っ張られて傷つき、小さな出血を起こす場合があります。この状態で再度頭に衝撃を受けると、架橋静脈から大出血して、急性硬膜下血腫を起こしやすいです。

 

急性硬膜下血腫は、脳と脳を覆っている「硬膜」の間に血液がたまる怪我です。急性硬膜下血腫を起こすと、血液が脳を圧迫するため死に至ったり、重い後遺症が残ったりすることがあります。

 

1回目の脳震盪から数日〜数週間以内に、2回目の衝撃を受けて急性硬膜下血腫などの重い頭部外傷を起こすことを、セカンドインパクト症候群」と呼んでいます。

 

 

 

◇さまざまなスポーツで事故例がある

セカンドインパクト症候群の死亡率は30〜50%と非常に高く、助かっても後遺症を残すことが多いです。柔道で半身不随になった例や、アメリカンフットボールの選手が緊急の回答手術を受け、幸いにも後遺症もなく回復した例など、さまざまな事例が報告されています。

 

急性硬膜下血腫を起こした選手の半数以上が、発症する前から頭痛を訴えており、事前に脳震盪を起こしていたと推測されるとの報告もあります。

 

 

 

◇指導者は軽視する傾向がある

脳震盪は、すぐ回復することが多いので、一般にスポーツの指導者は軽視する傾向が強いです。セカンドインパクト症候群に至っては、全く知らない指導者も少なくありません。そのため、脳震盪を起こしても意識が回復すれば、その日のうちに試合や練習に参加させることも多くありました。今回の提言ではそれを改め、脳震盪を起こした同じ日に、再び試合や練習に復帰するのを禁止しています。

 

 

 

◇医師の十分な理解も必要

スポーツによる脳震盪の危険性に対する医師側の理解も、十分浸透しているとはいえません。脳震盪を起こした選手が、スポーツ頭部外傷に精通していない医師の判断で復帰して、重い急性硬膜外血腫を発症した例もあります。そのため、脳神経外科医に対する「ガイドライン」の作成が求められており、今回の提言がその第一歩と位置付けられています。

 

 

 

◇診断リストを基に見極める

スポーツ中の子どもの安全を守るためには、脳震盪かどうかを見極める必要があります。現場での判断には、国際的に使われている診断リストが有効です。

 

診断リストでは、「自覚症状」「記憶の異常」「バランステスト」によって評価します。自覚症状では、意識消失、痙攣、頭痛、頭部圧迫感、吐き気、嘔吐、めまい、ふらつき、混乱などを調べます。記憶の異常では、「今日の試合会場はどこか?」「今は(試合の)前半か、後半?」といった質問に答えられるか否かを確認します。バランステストでは、足を前後に揃えて立ち、目を閉じた姿勢を20秒間保持させます。途中で目を開けたり、よろけたりしないか、開始の姿勢を5秒以上保てるか、などをチェックします。1つでも異常がある場合は、脳震盪を疑って直ちに競技への参加をやめさせ、脳神経外科の診察を受けさせます。

 

 

 

◇復帰は症状が完全になくなってから

スポーツへの復帰は、脳震盪の症状が完全になくなってから徐々に行っていきます。症状が完全になくなったかどうかは、診断リストで確認します。診断リストの症状や身体所見がすべて正常であれば、脳震盪の症状が完全になくなったと考えてよいでしょう。

 

復帰した場合も、いきなり全力で練習させないように注意が必要です。復帰直後はごく軽い練習から始めて、数日かけて少しずつ練習の強度を上げていきます。試合に復帰するためには、最低でも1週間の練習期間が必要で、症状がぶり返した場合は脳神経外科を受診させます。

 

医療機関で脳損傷や硬膜下血腫があると診断された場合は、原則として試合にも練習にも復帰するべきではありません。硬膜下血腫の発生・再発リスクが高く、より大きな出血を起こす危険があるからです。

 

スポーツの現場では、頭部外傷を正しく理解している指導者は、まだ少ないです。子どもをスポーツ中の頭部外傷から守るためには、スポーツの指導者や、選手を診る医師の早急な意識改革が必要です。

 

 

 

◇頭部外傷が起きやすい状況を知る

子どものスポーツによる頭部外傷が発生しやすいのは、特に合宿中や、疲れている時、頭痛がある時などです。また、下級生や初心者にも起こりやすいです。

 

頭部外傷が疲れている時に起こりやすいのは、疲労で集中力と反応スピードが低下し、頭がふらふらしやすいためです。そのような状態の時に頭をぶつけると、頭蓋骨の中で脳がずれやすく、架橋静脈が障害されやすいのです。

 

下級生や初心者に多いのは、基礎体力が不足していたり、技術が未熟である場合に、頭部外傷が起こりやすいためです。それに加えて、日本では、今でも下級生に厳しくして気合を入れさせるなどの精神主義が残っています。それが頭部外傷を増やす一因になっているかもしれません。

 

身近で、スポーツによる頭部外傷が起こるのを防ぐためには、このような頭部外傷が発生しやすい状況に十分注意をすることが重要です!

 

 

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